第5章 中国第4日目 昆明 (39/67)

テラスで朝食

  中国滞在4日目、昆明2日目になりました。いつものように訪中団の人に起こしに来てもらった後、顔を洗い、朝のおつとめを済まし、1階に車イスで降りて行きます。今日から3日連続して朝はこのホテルの1階でバイキングです。きれいなホテルです。

 朝のバイキングの場所は吹き抜けになっていて、高いガラス張りの天井からは朝の光が真っ白な食卓に燦燦(さんさん)と降り注いでいます。テラス一面真っ白な食卓が占領し、まるで雪の野原のようです。食卓のあちらこちらには中国人のウエイトレスが手にコーヒーサーバーと
お茶のポットを持ち、客に給仕しているのが見えます。

 そのバイキング会場の入り口には、そのホテルに宿泊を証明する紙を受け取る係りがおり、いったんバイキング会場の中に入ると、だれでも何をとっても自由という形式でした。

 その入り口に配していたのもまた、中国人の若い女性で、私は
けっしてその女性のことだけを眺めていたわけではありませんが、何分その女性と向かい合った位置なもので、いやでも目に入ったのですが、これまたチャイナドレスでした。

 そういえば、中国入国第1日目の深夜もチャイナドレスであり、翌日のラウンジもしかり、午前中のパレードでもしかりで、昼のレセプション、夜の食事でも、チャイナドレスのオンパレードです。私はけっしてチャイナドレスを見るために訪中団に参加したのではないのはご存じのとおりかと思いますが、至る所チャイナドレス、チャイナドレスとなると、もはやチャイナドレス評論家と言っても差し障りないほどになりました。

 ですから、もはや中国滞在4日目ともなると、チャイナドレスの似合うチャイニーズ(中国人)とはいかなるものかという自分自身の採点表さえそろそろできつつありました。チャイナドレス評論家からその女性のチャイナドレスを見ると、切れ目から、かいま見えるその女性の足は少し太く、「並」程度のチャイナドレス女性だと採点しました。

 けっしてその「並」程度のチャイナドレス女性だけを眺めていたわけではないのですが、朝っぱらからその少し太い太股がチラリチラリと見える様は、なんとも寝ぼけ眼で、まだ目が覚めてない私にはいまいち気分が乗らず、たとえとして適切かどうか分かりませんが、朝っぱらからHビデオを見ているような感じでした。

 そのチャイナドレス女性だけを眺めていたわけではないと言いたいのですが、さりとて他に眺めるようなものもなく、仕方なく目線はそのチャイナドレスに行きます。コーヒーを飲みながら横目でチラリ、……ゴクッ、チラリ、チラリということをしていますと、いつの間にか、訪中団の一行は集合され、本日のメインである昆明世界園芸博に出かけられました。私と母はすでにこの日「勝手させてもらいます」ということを伝えてあったので、テラスでのんびりしていました。

 この後、私には
恐ろしいことが起こったのです。


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